福岡市議会報告
2012年3月福岡市議会 まちづくりの観点から鉄道高架事業を促す! 高齢者の健康増進施設、コミュニティ施策も
私・うちこしは平成24年3月議会(3月8日)で、自由民主党福岡市議団を代表して質問に立ち、@井尻地区の鉄道高架とまちづくりA高齢者向きの健康増進施設B自治会・町内会への支援、の3点について福岡市の考えを問い質しました。引き続き早期実現を迫ってまいります。
高架化に向けたスケジュールの早期提示を
質問に先立ち、東日本大震災で亡くなられた方々に黙とうを捧げ、一日も早い復興を祈りました。
まず、井尻地区の鉄道高架については、私・うちこしが議員就任当初から要望しています。訴えたかったことは、井尻地区の住民が、“待たされている状態”にあり、高架化に向けたスケジュールを早期に提示することです。そして、鉄道高架事業は拠点性を高めるまちづくりであり、防災の観点からも重要な取り組みです。
また、町内会や商店街の代表者が集まり、「井尻地区まちづくり期成会」を組織し、鉄道高架事業の先進地事例視察などの取り組みが始まり、まちづくりの機運が盛り上がり始めております。
Q 福岡外環状道路などの完成を受け、平成23年度に交通量調査を行っているが、その結果と問題点は?
A 井尻駅周辺の踏切や交差点における交通量調査を行ったが、福岡筑紫野線や井尻駅前線の交通量は減少しているが、井尻駅に隣接している井尻1号踏切は、多くの歩行者や自転車が影響を受けている歩行者ボトルネック踏切に該当している。
Q 平成24年度はどのような調査を行うのか。また、地元で高まっているまちづくりの機運をとらえ、福岡市
としてどのように取り組んでいくのか。
A 平成24年度は地域のまちづくり活動への支援を行うとともに、23年度に実施した交通量調査を踏まえながら実現に向けた課題整理を行うなど検討を進めたい。
高島市長も「鉄道高架の必要性があると認識
Q 井尻は狭あい道路が多く、老朽化した木造家屋が密集しており、地震が起きると被害は甚大です。防災の観点からも、雑餉隈地区に連続して井尻地区の高架事業に取り組むことで、完全で安心できる生活環境に少しでも近づけるべきです。今後どのように取り組んでいくのか、最後に市長のご書見をお尋ねします。
A (高島市長)井尻地区においては、踏切による交通混雑、踏切事故の危険性、鉄道による校区分断の解消など解決すべき課題があり、隣接する雑餉隈地区と同様に鉄道高架の必要性があると認識している。
鉄道高架事業は事業規模が大きく、時間がかかる事業であり、現在取り組んでいる雑餉隈地区の鉄道高架事業の進捗状況を踏まえながら、地域におけるまちづくりの取り組みとともに、鉄道高架化の検討を行っていきたい。
高齢者の仲間づくりの機能も持つ健康増進施設整備を
現在、高齢者数、高齢化率ともに上昇を続けています。いわゆる“団塊の世代”が高齢期を迎えており、健康で元気に活躍する高齢者は今後ますます増え続けていきます。
福岡市は次期「高齢者保健福祉計画」の策定を進めており、「健康で生き生きとした豊かなシニアライフの実現」を掲げ、健康づくり・介護予防事業の推進、就業やボランティア活動等への参加の支援に取り組むことにしています。高齢者が社会の支え手の一員として、その能力を生かし元気に生きがいをもって社会参加することが地域の元気、活力の維持・向上につながるとしております。
しかし、平成22年度の「福岡市高齢者実態調査」によると、現在の心配事や悩み事は「自分の健康状態」であり、「健康・体力に自信がない」ことがボランティア活動に参加しない、したくない理由となっています。
地域における高齢者の活動拠点も老人福祉センターを各区に1ヵ所、老人いこいの家を各小学校区に整備している程度です。これでは、足りないと思っています。福岡市も新たな健康増進施設をつくっていく必要があると強く感じています。
健康づくりの場はコミュニティ形式にも有意義
高齢者が自立した生活ができるよう、健康づくり・体力づくりができる場はコミュニティ形成にも有意義です。共通の目標を持った人たちが集まれば、仲間意識が生まれ、知り合いの関係となります。民間のスポーツクラブでも、運動による高齢者の心身機能の向上を目的とした介護予防特化型のデイサービスが注目されているそうです。
高齢者向きの健康増進施設の整備が待たれるところですが、福岡市は厳しい財政状況から、新たな施設建設については、実質「ゼロ回答」でした。
このような回答でしたが、私・うちこしは、粘り強く要求を実現していきたいと思います。
自治会・町内会活動を支える新たなコミュニティ施策を
最近、マンションのポストに表札も掲げず、だれが住んでいるのかも分からないため、自治会・町内会への加入案内にも苦労するという声が聞かれます。災害時の地域での助け合いに実効性を持たせるためにも、日ごろの家庭訪問などの見守り活動により、顔が見える、信頼関係を構築することの重要さが求められています。
個人情報保護条例などで住民情報の把握が困難な中、この7月から外国人登録法が廃止されるため、住民の名簿開示が難しくなり、自治会・町内会の活動に支障をきたすことを危惧しています。
福岡市は自治会・町内会が実施する地域活動にあたって、対象者を把握するため住民基本台帳を閲覧する場合、一定要件を満たせば閲覧手数料を減免することを24年度から実施していますが、これだけでは不十分です。
また、地域集会所を確保するための支援策についても、建設費や建物の借上げ費用などの補助制度、土地確保のための融資制度など他人任せの制度では、実のあるコミュニティ施策の推進や実効ある地域支援には結びついていません。
コミュニティをまちづくりのパートナーと位置付け、活性化を図る立場から、市有地を地域に積極的に貸し出すなど他都市にも見受けられないような支援策を検討するよう強く要望しました。
「隣組」の歌詞で、取り戻せ日本人の心
自治会・町内会で中心的役割を担っておられます町内会長さんたちは、「とんとんとんからり」と「隣組」の歌を歌い継がれてきた世代の方々です。
1 とんとんとんからりと隣組 格子を開ければ 顔なじみ 廻して頂戴 回覧板 知らせられたり 知らせたり
2 とんとんとんからりと隣組 あれこれ面倒 味噌醤油 ご飯の炊き方 垣根越し 教えられたり 教えたり
3 とんとんとんからりと隣組 地震や雷 火事どろどう 互いに役立つ 用心棒 助けられたり 助けたり
4 とんとんとんからりと隣組 何軒あろうと 一所帯(ひとじょたい) こころは一つの 屋根の月 纏(まと)められたり 纏めたり
歌の結びが「知らせられたり 知らせたり」、「教えられたり 教えたり」、「助けられたり 助けたり」とまとめられています。
人情味のある日本人の心であり、取り戻さなければならないものとしてこの歌詞を紹介し、質疑を終えました。