うちこしよりご挨拶 2016年8月
2016.08暑中お見舞い申し上げます!
議会運営委員会の委員長に再任されました
私・うちこしは昨春行われました福岡市議会議員選挙で4期目の当選を果たさせていただき、それから早いもので2年目に入りました。これもひとえに皆様からのご支援の賜物と御礼申し上げます。
市議会での役職は、昨年に引き続き、議会の要となる議会運営委員会の委員長に再任されました。同委員会は、定例議会の開催日程の調整や本会議の進行の確認などを行うものですが、議長をサポートし、各会派の調整が重要な仕事です。
参院選もお世話になりました
また、7月10日投開票の参議院選挙におきましては、わが自由民主党および福岡選挙区で大家さとしの再選に、お力添えを頂きました。お陰さまで参議院も自民党単独で過半数を占め、大家もトップ当選はなりませんでしたが、上位の得票で無事当選することができました。これもまた、皆様方のご支援がなくしては果たせなかったことで、重ねて御礼申し上げます。
コラム
高齢者の孤立死を考える
誰にも看取られない高齢者の孤立死が増えています。地方自治体は孤立死をいかに予防するかとともに、孤立死を早期に発見することが課題となっているのです。
孤立死と孤独死の概念の相違
孤独死と孤立死という二つの概念は名称や定義が定まっていません。このため、混同されて用いられています。その結果、全国規模の孤立死の発生件数は明らかになっていないのです。
「孤独死」という概念は生前に死者が孤独感を持っていたという主観的な要素が前提となっています。これに対し「孤立死」の概念は生前に孤立をしていたという客観的な状態を指しています。
孤立死の背景と要因
①高齢化の急速な進展
全人口に占める高齢者の割合は4人に1人(2012年)から3人に1人(2035年)になると推計されています。
②世帯構造等の変化
3世代世帯の減少は、子供と親が同居しない状況の増加を示しています。
高齢者の単独世帯(一人暮らし)と高齢者夫婦のみの世帯が著しく増加することは孤立死が増える割合が高まることを意味しています。
③世帯規模の縮小
孤立死は同居する家族がいれば発生しにくいものです。
平均世帯人員が1980年に3.22人、1990年に2.99人、2000年に2.67人と減少が続いています。2020年に2.49人と見込まれています。
看取られない死が問題ではなく、看取られない死に至るプロセスが問題であると考えています。
孤立死の対応策は難しく、有効な解決方法は手探りの状態にあると考えます。福岡市においても、高齢者が疾病にかかり介護を要する状態になるほど、日常生活に支障が生じる状態が起こることを契機として危険性が高まると考えられます。
これが表面化した時期には、近隣住民からの通報システムが有効です。
一人暮らしの高齢者に関して『新聞がたまっている』『自宅から異臭がする』『最近見かけない』などお気づきになった場合は福岡市が設置した見守りダイヤル 電話080・9100・0883(NPO法人「孤立防止センター」に委託)にご連絡ください。
見守りダイヤルは2013(平成25)年8月、事業開始。「福岡見守るっ隊」(注)や地域で見守り活動を行う方々などの通報に対し、ワンストップで24時間電話対応、8時から20時まで安否確認を行っています。警察や消防対応事例は除きます。
(注) 「見守るっ隊」=九州電力、西部ガス、西日本新聞など新聞各社、水道局、生協など高齢者の自宅に定期的に訪問している業者などを中心に参加していただき、孤立死が疑われるなどの住民の異変に気付いた場合、見守りダイヤルに通報してもらうよう協定を結んでいる。
地域の住み心地をよくするために
一方で、一番の問題は、福岡市内においても地域のコミュニティーが希薄になってきているということです。何といっても、自分達の地域の住み心地を良くしようとすることが大事です。
東京のように一人ひとりが孤立して行き、自分さえ良ければいいという発想に陥ると、介護施設はただの迷惑施設になってしまいます。まずはその発想を変えなければなりません。
また、最近、空き家の増加が問題になっています。そこで空き家をグループホームなど施設に転用できないかと考えるのですが、これが難しい。高齢者が入ることを嫌がったり、火事になる危険があるとの理由で周辺の住民が反対するケースもあります。消防法も厳しくて、スプリンクラーなどを設置しなければならず、そこまでやるならむしろ新しいものをつくってしまった方がいいということになって結果的に何も進まない。
安倍首相は、アベノミクス第2ステージとして「一億総活躍社会」を掲げ、新たな「三本の矢」を打ち出しました。すなわち、「GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」を目指すことです。その第一弾として緊急対策が発表され、「2020年代初頭までに約50万人分の介護サービスの整備」、「都市部における国有地の賃料を減額し、介護施設の促進」、「介護ロボットの活用促進による介護人材の負担軽減」――などが打ち出されました。
家族の介護のために離職せざるをえない人は年間10万人いるといわれています。これから後期高齢者が激増する福岡市においても、これからの超高齢化社会への取り組みが着実に進められていく必要を強く感じております。