うちこしよりご挨拶 2012年6月

2012.06

「震災がれき受け入れ検討要求」を

決議するも、実現には高いハードル

 福岡市議会は5月18日、東日本大震災で発生したがれきの受け入れと処理方法の検討を高島市長に求める決議案を賛成多数で可決しました。被災地の復旧・復興には災害廃棄物の処理が急がれますが、福岡市は独自の埋め立て方式もあり、受け入れのハードルが高いのも現実です。

 岩手県の現地と仙台市内の仮設焼却炉を視察

 今回の臨時議会に先立って、私・うちこしを含む自民党市議団は5月6~7日に岩手県陸前高田・大船渡及び仙台市内の仮設焼却炉を視察してきました。

 災害廃棄物のヤマを目の前にしますと、ただただ立ち尽くすのみでした。

 これを何とかしないと復旧・復興がままならないのは自明の理です。少しでもお役に立つことはないのか、どんなことでも協力したい、そんな思いに駆られます。

 岩手、宮城両県の災害廃棄物処理の現状ですが、岩手県の災害廃棄物の推計発生量は約435万t(県内の一般廃棄物量の約10年分)、宮城県は1569万t(同約19年分)に上ります。

 岩手県で焼却処理や埋め立て等の処理が必要な量は183万tで、うち約57万tを広域処理としています。同県内の最終処分場の残余量が少なく、同処分場の整備には約10年かかるからです。

 宮城県は県内を4ブロックに分けて災害廃棄物の処理を進めています。焼却処理や埋め立ての処理が必要な量は815万tに上り、3年以内に処理するという国の方針に基づき、約344万tを広域処理としています。同県は仮設焼却炉を23基設置することにしており、現在10基が稼働し、8月頃までには残りすべても稼働する予定です。今後は県内での処理も加速されそうです。

 災害廃棄物処理に「福岡方式」埋立の“カベ”

 福岡市議会の決議案は、①廃棄物処理の安全基準を示すよう国に働きかける②安全性を確保したうえで廃棄物の受け入れと処理方法を検討すること━などを求めています。自民党はじめ各会派の50人が賛成しました。

 全国の自治体が連携・協力して災害廃棄物を処理しなければ、被災地の復旧・復興が進まないのは当然です。私・うちこしも早期の受け入れ処理を望んでいるのですが、決議では悩みました。というのも、今回の廃棄物処理は焼却から最終処分までが国の要請ですが、福岡市が採用している埋め立て方式と馴染まないからです。

 それは、「福岡方式」と言われ、焼却灰を雨水と空気に接触させることによって分解・安定化を促進させるものです。福岡市の埋立場では、浸み込んだ雨水等が浸出水として流れ出す際に、汚水処理場で有害物質等が除去されます。その後、博多湾へ放流しますが、放射性セシウムは現設備では除去できず、除去できる実用的な技術も確立されていないのです。

 持ち込む災害廃棄物を安全に償却するための国の目安は、1kg当たり240ベクレル以下のものに限っています。こういった安全基準をさらに明確にして安全性を確保した上で、廃棄物処理方法を検討していきたいと考えております。

福岡市議会議員(南区) うちこし基安(もとやす)

ご挨拶

打越基安プロフィール

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福岡市南区選出
自由民主党福岡市議団
福岡市議会議長
生年月日:1954年5月2日

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